オフィス什器(じゅうき)とは、デスク・チェア・キャビネット・パーテーションなど、オフィスで業務に使う家具・備品の総称です。「什器」という言葉はビジネスシーンで広く使われますが、読み方を確認しておきたい方や、家具・備品との違いが気になる方も多いでしょう。
什器は「家具」とほぼ同義に使われる場面もありますが、ビジネスの文脈では家具に加えて金庫や電化製品などの備品も含む、より広い概念として扱われます。
矢野経済研究所の調査によると、2024年のオフィス用家具市場は4,560億円(前年比103.4%)に達しました。従業員エンゲージメントの向上や人材採用の強化を目的としたオフィス環境への投資が続いており、什器の選び方は今や経営課題とも直結しています。本記事では、オフィス什器の定義から種類の全体像、選定時の判断基準、調達方法の比較まで整理して解説します。
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オフィス什器とは?家具や備品との違い
「什器」は業務で使う器具の総称ですが、「家具」や「備品」との境界が曖昧で混同されがちです。
什器の定義と読み方(じゅうき)
「什器」は「じゅうき」と読みます。語源を辿ると、「什」は「十」や「多数・さまざま」を意味する漢字で、多様な器具・道具の総称として用いられてきた言葉です。
オフィス什器とは、職場の業務に使う家具・器具全般を指します。代表的なものとして、執務用のデスクやチェア、書類を保管するキャビネット・書庫、空間を仕切るパーテーション、来客対応に使う応接テーブルやソファなどが挙げられます。
「什器」という言葉は使われる場面によって指すものが変わります。小売業でいう「店舗什器」は陳列棚やショーケースを指し、飲食業でいう「什器」には食器や調理器具まで含まれるのが特徴です。本記事で扱うのは、オフィスの業務環境に設置・使用する家具・備品です。
「家具」「備品」との使い分け

「家具」はもともと住まいの調度品を指す日常語で、テーブルや収納棚など幅広いものを含みます。一方「什器」は業務利用の文脈で使われるビジネス用語です。同じデスクでも、自宅に置けば「家具」、オフィスに設置すれば「什器」と呼ばれることが多く、使い分けの基準は利用目的にあります。
「備品」は消耗品と対になる概念で、繰り返し使える有形の物品を指します。什器の多くは備品に含まれますが、消耗品(文具・用紙など)は什器に含まれません。什器と備品は包含関係にあると考えると整理しやすいでしょう。
会計上は「器具備品」という勘定科目で管理されます。取得価額が10万円以上の什器は原則として固定資産に計上し、耐用年数に応じて減価償却する仕組みです。ただし実務では「什器」「家具」「備品」の3つが混在して使われる場面が多く、厳密な語義の区別より、自社の会計・管理ルールに照らして判断するのが現実的です。
オフィスに必要な什器の種類

オフィス什器は大きく5つのカテゴリに分類できます。
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デスク・チェアなどの執務用家具
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キャビネット・書庫などの収納家具
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テーブル・ソファなどの応接家具
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パーテーション・受付カウンター
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金庫・電化製品・個室ブースなどその他の什器
1. デスク・チェアなどの執務用家具
デスクとチェアは、オフィスで最も基本的な什器です。従業員が業務時間の大半を過ごす場所だけに、選定の優先順位は自然と高くなります。
デスクには主に4つのタイプがあります。

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平机(フラットデスク)はシンプルな矩形天板で最もスタンダードなタイプです。どの業種にも対応しやすい汎用性があります。
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L字型デスクは天板面積が広く、モニターを複数設置したいエンジニアやデザイナーに向いています。
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フリーアドレスデスクは席を固定しない働き方に対応した横長の共用天板タイプです。
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昇降式デスクは座位と立位を切り替えられ、長時間作業による身体的な負担を軽減します。
チェアは長時間着座する什器であるため、腰部サポート(ランバーサポート)の有無、座面高さの調節範囲、肘掛けの位置調整機能などが選定の鍵になります。デザインだけで選ぶと、後から身体的な不調を招くことがあるため注意が必要です。
2. キャビネット・書庫などの収納家具
収納什器の代表格はキャビネット、書庫、ワゴンの3種類です。書類・備品の整理整頓にとどまらず、機密情報の管理という観点からも、オフィスで欠かせない什器カテゴリです。

キャビネットは引き出し型・扉型など形状のバリエーションが豊富で、書類の種類や使用頻度に応じて使い分けます。書庫は大量のファイルや重量物に対応できる耐荷重設計のものが多く、バックオフィス・書庫室に設置されます。ワゴンはデスク脇に置く小型の収納家具で、個人の文具・書類をまとめるのに便利です。
施錠機能は情報セキュリティの観点で見落とせないポイントです。機密書類や貴重品を扱う部署では、鍵付きキャビネットやパーソナルロッカーの導入も検討してください。
3. テーブル・ソファなどの応接家具
応接スペースには、テーブル・ソファ・チェアで構成される応接セットを設置するのが基本です。来客が最初に座る場所であり、企業のブランドイメージを無言で伝える空間でもあります。テーブルやソファの品質・デザインが与える印象は、会話の前から始まっています。

素材やカラーリングはオフィス全体のコンセプトと揃えると統一感が生まれます。また、応接室をミーティングスペースと兼用する場合は、チェアの数を増やせるよう拡張性のあるテーブルを選ぶと柔軟に対応できます。
4. パーテーション・受付カウンター
パーテーションは空間を仕切り、視線を遮断し、防音効果を持たせるための什器です。高さ・可動性によって大きく3タイプに分けられます。

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ローパーテーションは腰から胸の高さで仕切るタイプです。開放感を保ちながらゾーニングできます。
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ハイパーテーションは天井近くまで仕切るタイプで、プライバシー確保や防音に効果的です。
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可動式パーテーションはキャスター付きで移動・組み替えができるタイプです。ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の導入に伴い、需要が高まっています。
受付カウンターは来客が最初に目にする什器で、企業の第一印象を左右します。高さ・素材・デザインがブランドイメージと合致しているかどうかが、選定の大きな軸です。
5. 金庫・電化製品・個室ブースなどその他の什器
金庫は重要書類や貴重品の保管に使われる什器で、防火・防水性能やセキュリティレベルに応じてさまざまなタイプがあります。電化製品では、休憩スペースの冷蔵庫・ウォーターサーバー・コーヒーメーカーなどが代表例です。従業員の休憩環境を整えるうえで、これらの什器も軽視できません。
近年は、Web会議や集中作業のための個室ブース(集中ブース・フォンブース)も定番のオフィス什器として定着しつつあります。電話対応や機密性の高い商談を個室で行いたいというニーズに応えるもので、既製のボックス型ブースから、スペースに合わせて設計するタイプまで選択肢が広がっています。
オフィス什器を選ぶ4つの判断基準

株式会社イトーキが公表したWORKPLACE DATA BOOK 2025では、オフィスワーカーの67%が「オフィス環境がモチベーションに影響を与える」と回答しています。什器の選択は従業員の働きがいに直接影響し、ひいては生産性や採用力にも波及する意思決定です。
什器選びで実際に確認すべき判断基準は次の4つです。
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スペースに合ったサイズを選ぶ
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業務内容に応じた機能で選ぶ
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オフィスのデザインと調和させる
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安全性・耐震性を確認する
1. スペースに合ったサイズを選ぶ
什器の寸法を確定する前に、オフィスの図面を用意してレイアウトシミュレーションを行います。寸法だけ合っていても、人の動線が確保されていなければ日常業務に支障をきたします。
実務上の目安として、執務エリアの主要通路幅は120cm以上、椅子を引いて立ち上がるためのスペース(引きしろ)は70〜80cm程度を確保するのが基本です。これを下回ると、複数人が同時に席を立つ場面で通路が詰まります。

搬入時の経路確認も欠かせません。エレベーターの扉幅や廊下の転回スペース、階段の有無によっては、寸法上は問題なくても現地に搬入できないケースがあります。メーカーや業者に依頼する前に、建物の搬入口・エレベーター内法寸法を必ず確認してください。
2. 業務内容に応じた機能で選ぶ
什器に求められる機能は、担当業務によって大きく変わります。エンジニアやデザイナーが複数モニターを並べるなら天板幅160cm以上が目安になり、外出が多い営業担当には着席時の快適性を重視した椅子が向きます。

現代のオフィスで見落としがちなのが、配線管理への対応です。デスクに配線穴(グロメット)やケーブルトレーが付いているかどうかで、天板上の整頓具合が変わります。電源・LANケーブルの束が見えた状態では、作業効率だけでなく来客への印象にも影響するもの。
機能の有無を仕様書でひとつずつ確認する手間を省かないことが、後悔しない選定への近道です。
3. オフィスのデザインと調和させる
什器のカラー・素材・形状をオフィスのコンセプトと揃えると、空間に統一感が生まれます。ブランドカラーをアクセントとして取り入れたり、木目調の天板でナチュラルな印象を演出したりと、什器はインテリアの主役になり得る要素です。
来客の目に触れる応接室やエントランスは、デザイン面での優先順位を上げて選ぶべきスペースです。スチール素材はスタイリッシュでメンテナンスしやすく、木材や木目調メラミンは温かみと落ち着きを与えます。どちらが正解ではなく、企業が来客に与えたい印象に照らして判断するのがポイントです。

バックオフィス・倉庫など来客が立ち入らないエリアは機能・コスト優先で問題ありません。予算を部分的に集中させる考え方が、全体のコストパフォーマンスを高めます。
4. 安全性・耐震性を確認する
地震リスクの高い日本では、収納家具の転倒防止は什器選定と同時に検討すべき課題です。書庫や背の高いキャビネットは、壁面へのアンカー固定か、転倒防止ポール(突っ張りバー)の設置が基本対策になります。固定が難しい場合は、重量物を下段に収納して重心を下げるだけでも転倒リスクを下げられます。
デスクやチェアにはJIS規格(日本産業規格)に基づく強度基準が設けられており、規格適合品を選ぶことが安全確保の第一歩です。中古品を購入する際は、目視では分かりにくい溶接部の劣化や可動部の摩耗にも注意が必要です。
什器の調達方法は3つ(新品・中古・レンタル)
什器を調達する方法は大きく3つあります。自社のオフィス規模、予算、使用期間、移転頻度によって最適な組み合わせは変わります。

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新品購入
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中古購入
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レンタル・リース
1. 新品購入
新品購入の最大のメリットはメーカー保証の存在です。一般に1〜3年の保証期間が設けられており、初期不良や製品欠陥に対してメーカーが対応します。最新デザインを選べること、カラーや仕様のバリエーションが豊富なことも、新品購入ならではの強みです。
故障時のサポート体制が整っている安心感は、特に什器の数が多い大規模オフィスや、業務への影響が大きい主要什器(受付カウンター・応接セットなど)の調達では欠かせない要素です。
一方で初期費用は3つの調達方法の中で最も高くなります。また、カラーや仕様をカスタマイズした受注生産品の場合、納品まで1〜2ヶ月かかることも。移転・開設のスケジュールが決まっている場合は、納期の確認を早めに行ってください。
2. 中古購入
中古オフィス家具は、新品と比べて30〜70%程度のコスト削減が見込める調達方法です。初期費用を抑えたいスタートアップや、短期間だけオフィスを構えるプロジェクト型組織に向いています。
中古品を選ぶ際は、信頼できる中古オフィス家具専門業者から購入するのが安全です。傷・汚れ・可動部の摩耗状態は、商品ページの写真だけでなく実物確認か詳細な状態説明を確認したうえで判断します。
注意点としては、保証が付かない場合が多いこと、欲しい品番・数量が在庫に左右されること、廃番品はパーツ調達が困難なことが挙げられます。数量が揃いにくいため、大量に同一什器を揃えたい場合は中古だけに頼らずメーカーへの新品発注と組み合わせる方法も現実的です。
3. レンタル・リース
レンタル・リースは初期費用を最小限に抑えられる調達方法です。購入の場合に必要な大きな一括支出を月額費用に分散できるため、キャッシュフローを重視する企業に向いています。
移転頻度が高い企業や、プロジェクト期間限定で一時的にオフィスを設ける場合に特に有効です。利用期間が終われば什器を返却できるため、処分コストが発生しません。
レンタルとリースには明確な違いがあります。レンタルは短期向けで中途解約に対応していることが多く、リースは数年単位の長期契約で中途解約が原則できない(もしくは違約金が発生する)のが一般的です。また、長期利用(目安として2〜3年超)ではトータルの支払額が新品購入を上回るケースが出てきます。

短期的なコスト比較だけでなく、利用予定期間を考慮して判断してください。
既製品ではサイズや仕様が合わない、しかし従来の造作家具では製作に2〜3ヶ月かかるという状況には、モジュール型のオーダー家具が選択肢になります。私たちSITURAEMONでは、天板と金物の組み合わせで空間に合ったサイズを指定でき、最短5営業日での出荷に対応しています。調達方法に迷ったときの参考として、SITURAEMON(シツラエモン)公式サイトもご覧ください。
オフィス什器の選定・調達をスムーズに進めるために

什器はオフィスを構成する最も基本的な要素です。定義と種類の全体像を把握し、自社の業務内容に合った選定基準を設け、調達方法を使い分けることで、環境づくりの精度は格段に上がります。
什器選定・調達で押さえておきたい判断ポイントは、大きく3つに集約されます。
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用途に合った種類の選定。執務・収納・応接・仕切り・特殊用途のカテゴリごとに必要な品目を洗い出します。
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サイズ・機能・安全性の確認。通路幅・引きしろ・搬入経路のチェック、配線管理機能の有無、転倒防止措置の検討を行います。
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自社に合った調達方法の見極め。予算・使用期間・移転頻度に応じて新品購入・中古購入・レンタルリースを使い分けます。
私たちSITURAEMONでは、天板37〜56種・脚6〜37種の組み合わせから、空間寸法に合ったテーブルやデスクをオーダーできるモジュール型家具プラットフォームを運営しています。最短5営業日での出荷に対応しており、法人会員向けには卸売価格で提供しています。既製品では対応できないサイズ要件がある場合は、SITURAEMON(シツラエモン)公式サイトからラインアップをご確認ください。
什器の種類と選び方の基本を押さえたうえで、自社のオフィスに合った什器を選び、働きやすい環境づくりの第一歩を踏み出してください。