オフィス図面の作り方4ステップ|自作か依頼かの判断基準も解説

オフィス図面の作り方4ステップ|自作か依頼かの判断基準も解説

オフィスのレイアウト図面とは、建物の平面図にゾーニング計画やデスク・什器の配置を落とし込んだ設計図のことです。専用のCADソフトがなくてもExcelやPowerPointで作成でき、コンセプト設定→ゾーニング→什器配置→清書・共有という4ステップで進めます。

オフィスの移転・増員・働き方の見直しをきっかけにレイアウト変更を検討する企業はありますが、初めて図面作成を担当する方にとっては「何から着手すべきか」が見えにくいのが実情です。基準寸法の見落としや消防法への未対応が後工程のやり直しにつながるケースもあり、事前に全体像を把握しておくことが欠かせません。

私たちが運営するSITURAEMON(シツラエモン)は、天板×金物のモジュール組み合わせで7,000通り以上のカスタマイズが可能なオフィス向け造作家具サービスです。図面不要・最短5営業日での出荷を実現しており、レイアウト検討が固まったタイミングから素早く家具調達を進められます。

オフィスのレイアウト図面とは?種類と作成の目的

オフィスのレイアウト図面とは、建物の平面図をベースに、執務エリアや会議室などのゾーニング計画と、デスク・什器・設備の配置を重ね合わせた設計図です。単なる「家具の並び図」ではなく、空間の使い方と動線の全体設計を視覚化したものです。

図面にはいくつかの種類があります。平面図は間取りを示す最も基本的な図面で、壁・ドア・窓の位置と各エリアの用途を表します。設備図は電源コンセントやLAN配線の経路を示し、デスクの配置計画と合わせて検討します。

天井伏図は照明・空調・スプリンクラーなど天井面の設備位置を記したもので、パーテーション設置や間取り変更の際には特に必要です。

図面を作成する目的は大きく3つに分かれます。第一は業者との正確な情報共有で、施工業者や家具メーカーとのやり取りに明確な根拠を持たせられます。第二は社内の合意形成・稟議資料としての活用で、口頭説明だけでは伝わりにくいレイアウト案を関係者に視覚的に示せます。

第三は消防署等への届出対応です。パーテーションで個室を設ける場合など、法令上の申請書類に図面の添付が求められることがあります。

図面には精度の段階があります。社内ヒアリング用のラフ図面(手書きや簡易ツールで十分)から、業者に渡す設計図面、施工精度で描く施工図面まで、目的に応じた精度を選ぶことが作業量の無駄を防ぐポイントです。社内検討の段階で施工図面レベルの精度を求める必要はなく、まずは方向性の合意を取ることを優先します。

レイアウト図面を作成する4つの手順

レイアウト図面の作成は、次の4つのステップで進めます。最初にオフィスのコンセプトを決め、空間のゾーニングを組み、什器の配置と動線を設計し、最後に図面として落とし込んで共有するという流れです。各ステップは順番通りに進めることが前提で、前のステップが曖昧なまま次に進むと、後工程での手戻りにつながります。

  1. オフィスコンセプトの明確化

  2. ゾーニング(スペース配分)の検討

  3. 什器・家具の配置と動線計画

  4. 図面への落とし込みと共有

1. オフィスコンセプトの明確化

コンセプトを先に定めておくことで、ゾーニング以降のあらゆる判断が一貫します。「どんな仕事をするオフィスにしたいか」という問いへの答えがないと、エリア配分やデスク配置の根拠が薄くなり、後から方針がぶれやすくなります。

コンセプトの方向性としてよく挙がるのは、部署間の対話を促す「コミュニケーション重視型」、個人の深い作業に対応する「集中作業重視型」、商談や接客の質を上げる「来客対応重視型」などです。これらは排他的ではなく、エリアごとに性格を分ける設計も可能です。

コンセプト設定の第一歩は、現状の課題を社員にヒアリングすることです。「会議室が足りない」「集中できる場所がない」「来客時に執務スペースが丸見えになる」といった具体的な声が、優先すべきゾーニングの方向性を教えてくれます。

2. ゾーニング(スペース配分)の検討

ゾーニングとは、オフィス空間を用途別のエリアに区画することです。執務スペース・会議スペース・共用スペース・受付・バックヤードなど、それぞれの面積比率と配置の方針をこの段階で決めます。

一般的なスペース配分の目安は、執務スペースが全体の50〜60%、会議室や休憩室などの共用スペースが20〜30%、受付や通路・バックヤードなどがその他の10〜20%です。この比率は業種や働き方によって変わりますが、あくまで出発点として参照してください。

ゾーニングで特に注意するのは動線の分離です。部署間の連携が多い部門は隣接させ、来客動線と社員の日常動線が交差しないよう区画を割り当てます。来客が執務エリアを通り抜ける設計は、情報セキュリティ面でも好ましくありません。

具体的な通路幅の推奨値については後述します。

3. 什器・家具の配置と動線計画

デスクのレイアウトには代表的な3つのパターンがあります。向かい合わせに並ぶ対向島型は一般的なオフィスで広く採用されており、コミュニケーションが取りやすい反面、視線が気になる場合があります。全員が同じ方向を向く同向型は集中しやすく、教育施設や特定の作業向きです。

席を固定しないフリーアドレス型は、出社率が低いオフィスや部門間の交流を促したい場合に向きます。どのパターンが適切かはコンセプトと人数構成によって変わります。

動線設計では、メイン通路を明確に確保することと、集中エリアへの通り抜け動線を作らないことが基本です。全員が使うプリンターや給湯室への動線が特定の部署を横断する設計は、集中の妨げと騒音の原因になります。

什器の配置を決める際は、実際のサイズをメーカーカタログや公式サイトで事前に確認します。カタログ値と実物のわずかな差が通路幅の不足につながるため、寸法の確認は図面への記入前に行います。

造作家具の調達は、通常1〜2ヶ月のリードタイムが必要になることがあります。私たちが運営するSITURAEMON(シツラエモン)は、天板×金物のモジュール組み合わせによって7,000通り以上のカスタマイズに対応しながら、最短5営業日での出荷を実現しています。図面不要で注文できるため、レイアウトの方向性が固まったタイミングから並行して調達を進められます。

4. 図面への落とし込みと共有

ゾーニングと什器配置の方針が決まったら、まずラフ図面を作成します。ラフ図面は社内ヒアリングや経営層への提案資料として使い、方向性の合意を取るための道具です。手書きでも構いません。

合意が取れた段階で清書に移ります。

業者へ共有する図面には、什器のサイズと品番、配線ルート、コンセント・LANポートの位置、空調や照明の位置を併記します。これらの情報が抜けていると、業者側の見積もりに齟齬が生じたり、施工後に「思っていたのと違う」という事態が起きやすくなります。

共有形式はPDFや画像への書き出しが一般的で、バージョン管理のためにファイル名に日付を入れておくと混乱を防げます。レイアウト変更のたびに図面も更新するため、元データの保管場所を関係者が把握できる状態にしておきます。具体的なExcel・PowerPointの操作手順は次のセクションで説明します。

Excel・PowerPointで図面を自作する方法

専用のCADソフトがなくても、ExcelやPowerPointを使った簡易な図面の作成は十分に可能です。ただしここで作成するのは社内検討用のラフ図面であり、施工に使う精密な図面ではありません。なお、より高精度の間取り図を無料で作りたい場合は「せっけい倶楽部」などのフリーソフトも選択肢に入ります。

Excelの方眼シートで作成する手順

Excelで図面を作成する最初の作業は、すべてのセルを正方形に揃えた「方眼シート」の準備です。列全体を選択して列幅を「2.5〜3」に設定し、行の高さを「20」前後に調整すると、セルがほぼ正方形になります。数値は環境によって多少変わるため、見た目で確認しながら調整します。

縮尺は「1セル=50cm(実寸)」に設定すると扱いやすい場合が多く見られます。例えば幅1,800mmのデスクは横3セル、奥行き700mmは縦1.5セル(=1セルと半分)として描けます。Excelの図面は厳密な縮尺よりも相対的なスペース感の確認に使うものと割り切ると、作業がスムーズです。

壁はセルの塗りつぶしで表現するのが最も簡単です。外壁・間仕切り壁の位置にあたるセルを黒やグレーで塗りつぶします。ドアや窓は罫線の種類や図形(円弧)を組み合わせて描けます。

什器の配置は、「挿入」メニューから図形(長方形など)を挿入し、「図形の書式設定」でサイズを数値指定する方法が確実です。セルの枠に図形を合わせて配置すると、縮尺と整合した状態を保てます。図形にデスク・棚・会議テーブルなどのラベルを入れると、関係者と共有したときに内容が伝わりやすくなります。

PowerPointのテンプレートを活用する方法

PowerPointの最大の強みは、図形を自由に配置できる柔軟さと、そのままプレゼンテーション資料として使える点です。作成した図面に説明テキストや写真を加えて経営層への提案資料に仕上げるといった使い方に向いています。

オフィスレイアウト用のテンプレートは、MicrosoftのOffice公式テンプレートサイトや各種フリー素材サイトで公開されています。「オフィス 間取り テンプレート」で検索すると、デスクや会議テーブルの図形がすでに含まれたファイルを入手できます。ゼロから描く手間が省けるため、初めて作成する場合にはテンプレートから始めることをおすすめします。

家具オブジェクトの配置とサイズ調整は、図形を選択した状態で「図形の書式設定」ペインを開き、「サイズとプロパティ」で幅・高さを数値入力します。縮尺を決めておけば(例: 1cm=1m)、実寸に対応したサイズで管理できます。「グリッドに合わせる」機能をオンにすると、図形の位置がずれにくくなります。

ExcelとPowerPointの使い分けとしては、通路幅や寸法を厳密に管理したい場合はExcelの方眼シートが向き、視覚的な提案資料や関係者への説明用途にはPowerPointが向きます。目的に応じて使い分けるか、Excelで寸法を確認してPowerPointに清書するという手順も実用的です。

図面作成で押さえたい基準寸法と関連法令

レイアウト図面を作成する際には、空間の使いやすさを担保する寸法の基準と、法令上の要件の両方を確認する必要があります。基準を知らないまま図面を作成すると、工事着工後に消防法違反が判明したり、完成後に通路が狭くて使いにくいといった問題が生じます。

通路幅・デスク間隔の基準寸法

オフィスの通路幅とデスク間隔には、快適な使用感と安全性を確保するための推奨値があります。アール・エフ・ヤマカワの基準寸法の解説を参考に、主要な寸法をまとめます。

箇所

推奨幅

通常歩行(1人通行)

600mm以上

車いす利用者の通行

800mm以上

2人がすれ違える幅

1,200mm以上

メイン通路

1,600mm以上

背中合わせ座席間

1,500mm以上

デスク島と島の間

900mm以上

車いすの方向転換

1,400mm以上

これらの数値は最低限の確保ラインとして参照するものであり、実際の設計では余裕を持たせることが望ましいです。例えばメイン通路は人が頻繁に行き交うため、1,600mmをベースにしながら、什器の出っ張りや引き出し操作のスペースを加えて検討します。

車いす対応の寸法は、バリアフリー法の対象となる建物では特に注意が必要です。方向転換に1,400mm以上が必要であることを念頭に置き、通路の突き当たりや多目的な用途のスペースには余裕を持たせます。

消防法・建築基準法・労働安全衛生法のチェックポイント

労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則では、労働者1人あたりの気積(空気量)を10㎥以上確保することが事業者に義務付けられています。天井高が2.5mのオフィスで換算すると、1人あたり約4㎡の床面積が必要になります。席数に応じた必要面積をゾーニングの段階で確認しておきましょう。

消防法では、天井まで届く高さのパーテーションで空間を仕切って個室を新設する場合、工事開始の7日前までに管轄の消防署への届出が必要とされています(参考)。パーテーションの設置は内装工事とみなされるケースがあるため、「壁ではなくパーテーションだから届出不要」とは判断できません。

なお、間仕切り上部に所定の欄間(ランマ)を設けることで、既存の消防設備の増設を不要にできるケースがあります。具体的には、間仕切り壁等の上部に0.2m以上×1.8m以上の有効開口部を設けることで、煙感知器の追加が不要になる場合があります(参考)。ただしこの措置の適用可否は建物の消防設備の構成によって異なるため、着工前に管轄の消防署へ確認することが必要です。

建築基準法施行令は事務所の廊下幅を直接規定する条文を持たず、オフィスの通路幅については前述のメーカー推奨値や社内基準が実務上の判断軸になります。法令の詳細な解釈や届出の要否は、管轄の消防署・建築指導課への事前相談で確認することをおすすめします。

自作とプロ依頼の判断基準

図面をどこまで自作し、どこからプロに依頼するかは、図面の用途と規模によって変わります。費用と精度のバランスを見極めることが、後悔のない進め方につながります。

自作が向いているケース

自作の図面が力を発揮するのは、社内の方向性合わせやイメージ共有を目的とした場面です。たとえば、ゾーニングのラフ案を関係者に見せて意見を集める段階や、どのデスク配置パターンが合うかを試行錯誤する段階では、Excel・PowerPointの簡易図面で十分に機能します。面積が10〜20坪程度の小規模なオフィスで、設備改修を伴わない什器の配置換えであれば、自作図面で完結することも可能です。

一方で自作には限界があります。正確な寸法の再現には技術的な制約があり、消防法対応が必要な工事を伴う場合には自己判断での対応が難しくなります。「この配置で法令をクリアできるか」という判断はプロに委ねた方が安全です。

プロへの依頼が必要なケース

施工業者が実際に使う精度の図面が必要な場合、プロのオフィスデザイン会社や建築士への依頼が必要になります。電源・LAN配線の引き回し、パーテーション設置に伴う消防署への届出、大規模なレイアウト変更では、現地の正確な計測と法規チェック、施工業者との図面連携が求められます。

プロは現地調査から法令確認、施工図面の作成、業者調整までを一貫して担います。費用は案件の規模や依頼範囲によって大きく異なるため、複数社から見積もりを取って比較することをおすすめします。

実務上で効率的なのは、まず自分でラフ図面を作り、その図面をプロに渡して精度を高めてもらう「二段階アプローチ」です。コンセプトとゾーニングの方向性を自分たちで固めてからプロに渡すと、要件が明確になるため設計の手戻りが減り、費用面でも効率的になります。

オフィスレイアウト図面作成のまとめ

オフィスのレイアウト図面作成は、コンセプトの明確化→ゾーニング→什器配置・動線計画→清書と共有という4ステップで進みます。各ステップは前工程の決定事項を受けて進むため、順番を省略するとあとから修正コストがかかります。

図面は一度完成させれば終わりではありません。増員・減員、部署の再編、働き方の変化に応じて更新していくものです。図面を常に最新の状態に保つ運用を定着させることで、次回のレイアウト変更もスムーズに進められます。

元データの保管場所とバージョン管理のルールをあわせて整備しておきましょう。

私たちSITURAEMONでは、オフィス向け造作家具を図面不要・最短5営業日で提供しています。天板×金物のモジュール組み合わせで7,000通り以上のカスタマイズが可能で、レイアウトが固まったタイミングからすぐに家具調達を進められます。詳細はSITURAEMON公式サイトをご確認ください。

まず取り組むべきは、管理会社や建物オーナーから現状の平面図を入手することです。手元に平面図があれば、ゾーニングのラフ検討をすぐに始められます。あわせて社内アンケートで現状の課題を収集しておくと、コンセプト設定の精度が上がります。