オフィス休憩室をカフェ風にする方法は?5つの構成要素と優先順位

オフィス休憩室をカフェ風にする方法は?5つの構成要素と優先順位

オフィスの休憩室をカフェ風にするには、今の使い方で不足している点を調べ、既存設備を活かして照明・素材・植物・座席・ドリンク設備を整えます。

手元が暗い、昼休みに座れない、飲み物を取りに行く人と席が干渉するなど、自社の課題から優先順位を決めましょう。

本記事では、カフェ風休憩室を構成する5つの要素と選び方、稟議で説明できる根拠の範囲、使われない失敗を防ぐための配置や運用のポイントを解説します。

オフィスのカフェ風休憩室とは?従来スペースとの違い

カフェ風休憩室は、暖色系の照明や木目、観葉植物、用途に合わせた座席を取り入れた休憩スペースです。食事や休息の基本機能を保ちながら、一人で静かに休む席と、同僚と会話する席を選べるように計画します。

机と椅子が一様に並ぶ配置を見直す場合も、既存の家具をすべて入れ替える必要はありません。利用人数と過ごし方を調べ、席の種類・配置・照明を調整しましょう。

事務所衛生基準規則第19条は、有効に利用できる休憩設備を設ける努力義務を定めています。

第21条は、常時50人以上、または常時女性30人以上を使用する場合、横になれる休養室または休養所を男女別に設けることを義務づけています。

カフェ用の席を設けただけで第21条の要件も満たすと判断せず、横になれる設備と男女別の利用条件を確認します。日常の休憩場所と休養設備の目的を整理して計画しましょう。

カフェ風休憩室がもたらす3つの導入効果

導入目的は、会話の機会、気分転換、職場環境の発信の3点から整理できます。家具を変えた場合の効果を保証するものではないため、現状の課題と導入後の確認方法を併せて説明します。

1. 部署を超えた偶発的な会話の創出

他部署の社員とも、挨拶や気軽な相談を交わせる場所として活用できます。

飲み物を取りに立ち寄った際や昼食の合間に自然と顔を合わせられる場所があれば、会議を予約するほどではない気軽な相談や挨拶が生まれやすくなります。ただし、家具や内装を変えただけで自然に会話が活発化するわけではありません。利用時間が重なり、雑談してもよい共通認識が職場にあることが前提です。

会話を強制せず、一人で静かに休みたい人の過ごし方も尊重しながら、コミュニケーションを取りたい人が気兼ねなく立ち寄れる場として計画しましょう。

2. 気分転換による働く意欲の維持

執務席から離れて休む場所は、気持ちを切り替える機会になります。

長時間のデスクワークが続くなかで、異なる明るさや質感を持つ空間へ移動することは気分をリフレッシュする手助けになります。

株式会社イトーキが公表したWORKPLACE DATA BOOK 2025の調査結果(2023年9月実施、全国のオフィス勤務者5,000名対象)によると、67%が「オフィス環境がモチベーションに影響を与える」と回答しています。

ただし、この数値は環境全般に対する意識を示したものであり、休憩室改修による生産性や定着率の向上を証明したものではありません。

稟議では過大な効果を断定せず、現状の席不足や使いづらさを解消する施策として位置づけ、導入前後の利用状況や社員の声を確かめる計画を立てましょう。

3. 採用活動や広報での職場環境の発信

採用サイトや会社見学で、実際の働く環境を具体的に伝えられます。

求職者にとって、日常的に利用される休憩スペースの様子は、企業の働きやすさを直感的に把握する手がかりになります。採用サイトやSNS、会社見学の動線にカフェ風の休憩室を取り入れることで、文章だけでは伝わりにくい職場の日常風景を視覚的に提示できます。ただし、実際の運用と発信内容に隔たりがあれば、入社後の失望につながりかねません。

来客専用の装飾にするのではなく、社員が実際に日々くつろいでいる様子や具体的な利用ルールを添えて、ありのままの職場環境を発信しましょう。

カフェ風休憩室をつくる5つの構成要素

変更しやすい要素から、自社の課題に応じて整えます。全面工事を行う前に、既存設備で対応できる範囲を確認しましょう。

構成要素 見直す箇所 購入・施工前の確認
照明 光色、手元の明るさ、器具の位置 作業用途、映り込み、取付条件
壁面・床材 色、木目、質感 現地のサンプル、清掃、下地と原状回復
グリーン 高さ、視線、置き場所 日当たり、水やり、通路への張り出し
座席 一人席、食事席、会話席の配分 利用人数、膝・足・椅子を引く空間
ドリンク設備 設置位置、給水・排水 電源、洗浄場所、補充・清掃の担当

書類を読む手元が暗ければ照明、昼休みに席が足りなければ座席を優先します。見積もりでは、家具・照明の購入、工事、搬入設置の初期費用と、消耗品・清掃・保守の継続費用を分けて比較しましょう。

1. 暖色系を中心とした照明計画

1. 暖色系を中心とした照明計画の図解

暖色系の光を取り入れつつ、作業をする席では手元の明るさを確保します。光色の印象と照度は分けて確認しましょう。

くつろぐ席にはペンダントライトや間接照明を使い、PC作業や読書をする席には手元の光を補います。事務所衛生基準規則第10条は、作業面で一般的な事務作業300ルクス以上、付随的な事務作業150ルクス以上を求めています。

休憩室全体の推奨値として一律に当てはめず、席の作業内容に応じて確認します。

厚生労働省の通知では、最低基準を満たしたうえで作業に適した照度を検討するとしています。天板上を照度計で測り、日中と夜間の影や画面への映り込みも確かめましょう。

同規則は、まぶしさや明暗の著しい差を避けることも求めています。

既存の引掛シーリングなどに取り付ける簡易型ダクトレールも選択肢です。ただし、対応する配線器具と取付方法は機種によって異なります。

パナソニックのLK04083WZ/BZ取扱説明書では、水平で平坦な天井、配線器具の状態、取付金具を固定する補強材、灯具の重量・容量などを確認するよう示しています。

説明書に合う既存器具へ取り付ける作業と、配線器具の新設・固定配線の変更を分けます。工事が必要な場合は、経済産業省の案内を踏まえ、設備区分と工事内容に応じた資格を持つ業者へ相談しましょう。

2. 木目や質感を加える壁面と床材

壁の一面や家具の背景に、木目や石目の素材感を加えます。

無機質な白いビニールクロスやタイルカーペットの空間に、木目調のアクセントクロスやモルタル調のシート、フロアタイルを取り入れると、温かみのあるカフェらしい質感を生み出せます。全面を張り替える必要はなく、視線が集まる壁の一面や家具の背景となる部分を切り替えるだけでも空間の重心が定まります。

選定にあたっては、自社の既存家具や建具の木目と色味のトーンを揃えることが調和の鍵です。

素材サンプルを現地に取り寄せ、実際の照明の下で既存の床や机と並べて見比べ、汚れの付きにくさや扉の開閉時に床材が干渉しないかを確認して選びましょう。

3. 空間にリズムをつくるグリーン

植物の高さと置く位置を変えると、視線を緩やかに区切れます。

グリーンは床置きの大鉢だけでなく、カウンターやテーブル上の卓上サイズ、天井からの吊り下げ、壁面緑化など、複数の高さに散りばめることで空間に奥行きが生まれます。大鉢の植物は、座席同士の視線を遮る緩やかな間仕切りとしても活用できます。ただし、本物の植物を導入する場合は、置く場所の日当たりや休業中の水やり当番を誰が担当するかを事前に決めておく必要があります。

日当たりや定期的な手入れの体制が確保できない場所には高品質なフェイクグリーンを選択肢に入れつつ、葉が通路に張り出して通行や清掃の邪魔にならない寸法を選びましょう。

4. 過ごし方に合わせた座席の配置

昼食、一人での休息、会話など、用途に合わせて席を組み合わせます。

主な過ごし方 席の候補 確認する使い勝手
一人で短時間過ごす 壁沿いのカウンター、一人用テーブル 出入り、荷物の置き場、周囲の視線
食事・複数人の会話 カフェテーブル 食器を置く広さ、掃除、椅子を引く空間
ゆっくり休む 低いテーブルとソファ 座面の高さ、立ち上がり、隣の席との距離

限られた面積に全種類の席を詰め込まず、利用が多い過ごし方を優先します。木目天板とスチール脚を選ぶ場合も、外形寸法に加えて、幕板や脚が膝・足先に当たらないかを寸法図で照合しましょう。

SITURAEMONの対応するスマート造作家具では、素材・脚・寸法を選んで見積もり・発注できます。商品ごとの対応寸法と出荷予定日、配送・搬入・組立の条件を確認しましょう。購入には法人会員登録とログインが必要です。

天板や脚を部材で調達して既存家具と組み合わせる場合は、取付面、穴加工、荷重と組立方法の適合も確認します。天板単品には下穴加工がない商品もあるため、完成家具と同じ条件で扱わないようにします。

5. 立ち寄りやすさを生むドリンク設備

飲み物を取りに立ち寄る場所と、座って過ごす場所をつなぎます。

お茶を淹れる、コーヒーを淹れる、弁当を温めるといった明確な目的がある設備を配置することで、休憩室は社員が日常的に立ち寄る場所として機能し始めます。導入時に最も注意すべき点は給排水の条件です。既存の給湯室やシンクから離れた場所に設置する場合、給排水管の新設工事を行うか、手動給水のタンク式マシンを採用するかを判断しなければなりません。

タンク式であっても、受け皿の排水や部品の日常的な洗浄を行う場所は別途確保する必要があります。

マシンの導入にあたっては、日々の粉やカプセルの補充、清掃、ごみ捨ての運用担当をあらかじめ決めておき、レンタル契約を利用する場合も業者の保守範囲と自社で行う日常管理の境界を確認しておきましょう。

使われない休憩室を防ぐ3つのチェックポイント

家具や内装に加えて、利用ルール・位置・動作空間を確認します。利用されない理由は、席不足、距離、騒音、周囲への遠慮など複数考えられるため、利用状況を観察して判断しましょう。

1. 気軽に立ち寄れる利用ルールがあるか

せっかく快適な休憩室を作っても、「勤務時間中に立ち寄るとサボっているように見られないか」と周囲の目を気にして、社員が利用をためらってしまうことがあります。また、一部のグループが長時間ミーティングで席を占有してしまい、本来の休憩で座れない状態も起こりがちです。

席が遠い、数が足りない、静かに休めないといった要因も、社員の声と利用状況から確認します。

就業規則や職場の実態に合わせて、利用可能な時間帯、飲食や軽い雑談、一人作業の可否などをガイドラインとして明文化しましょう。運用初期には管理職が率先してコーヒーを取りに行き短時間くつろぐ姿を見せるなど、気兼ねなく使ってよい場所であることを実際の行動で示すのが効果的です。

2. 執務エリアを妨げない動線になっているか

2. 執務エリアを妨げない動線になっているかの図解

休憩場所を執務席の近くに置く場合は、待ち列と話し声を確認します。

ドリンクの待ち列や通行が執務席に重なると、業務を妨げる場合があります。植物やオープンラックで視線を区切っても、会話の音まで遮れるとは限りません。配置の見た目だけで音環境も改善したと判断しないようにしましょう。

トイレや給湯室へ向かう日常の動線から立ち寄りやすく、待つ人や会話が執務席に干渉しない位置を検討します。

レイアウトの検討段階で、執務席から休憩場所までの歩行ルートを実地で歩き、人の交差や立ち止まる位置を確認しましょう。休憩スペースで実際に会話をしてみて、隣接する執務席で声がどのように聞こえるかを事前に検証することが欠かせません。

3. 賃貸の原状回復や狭小空間の制約を満たすか

3. 賃貸の原状回復や狭小空間の制約を満たすかの図解

内装材は原状回復の条件、家具は動作空間を含めた寸法を確認します。

「剥がせる」「敷くだけ」と謳われたシート材であっても、下地の材質によっては撤去時に日焼け跡や糊残りが発生し、退去時の原状回復費用を請求されるトラブルにつながることがあります。また、ハイテーブルや壁沿いカウンターを置いたとしても、着席した社員の背後を通路として通れなければ、空間は正常に機能しません。

契約条件を照合し、実寸で動作を確かめてから席数を決めましょう。

内装材を取り入れる際は、ビル管理会社に原状回復の条件を事前に照合し、下地への適合性を確認しましょう。家具のレイアウトでは、図面上に家具の外形線を引くだけでなく、椅子を後ろに引いて立ち上がる動作や、背後を別の人が通り抜ける寸法、扉や引き出しの開閉軌跡を現場でメジャーを使って確認したうえで席数を決定しましょう。

カフェ風のオフィス休憩室づくりまとめ

カフェ風の休憩室は、社員の過ごし方に合わせて照明・素材・植物・座席・ドリンク設備を組み合わせます。

既存設備を活かせる範囲を確かめ、照明の取付条件、座席の動作空間、給排水と清掃の運用を具体化しましょう。法令上の休養設備と日常の休憩場所も区別して確認します。

まず利用状況を観察し、席不足や手元の暗さなど、優先して直したい点を一つ決めると計画を進めやすくなります。